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現代の思春期を生きる少年少女たちのこころの声を引き出す,まんが,アニメ,SNS,ラノベ,アイドルなどのサブカルチャー。子どもたちとの心理カウンセリングを重ねる中,話題に出てくる「サブカル」とその背景から,見えてきたいまどきの子どもたちの真の姿を思春期臨床の第一人者が読み解く一冊。『フツーの子の思春期』『思春期をめぐる冒険―心理療法と村上春樹の世界』のベストセラー心理学者が子どもたちのこころの世界を語る。
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主な目次
第1章 魔法少女の破壊力─誰かの幸せを祈ったはずなのに、誰かを呪わずにいられない─
第2章 残酷だけど、泣ける─ひぐらしのなく頃に─
第3章 十歳前後の草食・肉食期?─『けいおん!』のキャラと関係性─
第4章 思春期の恋バナ
第5章 恋バナ・BL・関係性─フツーの子の腐女子化とその変容─
第6章 子どものこころに寄り添う
第7章 心を閉ざしている良い子
第8章 鏡の中の思春期 その一─『ハウルの動く城』の美と醜─
第9章 鏡の中の思春期 その二
第10章 協調と競合のアイドル─嵐は思春期を変えうるか?─
第11章 推しメンができるという社会性の獲得─AKB48の枠組と臨床的効果─
第12章 女子から見た「暴力」の魅力─不良系男子と優等生系女子─
第13章 時間に追われる子どもたち─クロノスとカイロス─
第14章 人間関係の失敗に敏感すぎる子どもたち
第15章 壇蜜とマツコ・デラックス─彼女たちの共通項─
第16章 季節はずれの思春期─ミタさん的家族の成長─
第17章 今、ここに生きる「私」はどこまでも拡散していく─SNS時代の青春─
第18章 「秘密」と「うそ」の裏側にあるもの
第19章 異界とムスビ」─新海誠『君の名は。』にはまる─
第20章 異性装のイメージ喚起力─欅坂のてちとマツコ・デラックス─
第21章 心のつらさはどのようにしてやわらぐのか
第22章 人格の着ぐるみ─ゆるくないキャラで学校を生きる─
第23章 マスクをすれば自分の部屋にいるような─『輪るピングドラム』の生存戦略─
第24章 思春期と喪失─「海のトリトン」から考える─
著者略歴
岩宮恵子(いわみや・けいこ)
鳥取県米子市生まれ
臨床心理士・公認心理師
聖心女子大学文学部卒業後,鳥取大学医学部精神神経科研究生を経て2001年島根大学教育学部准教授。2006年同教授。
2017年より島根大学人間科学部開設に伴い同学部心理学コース教授。
島根大学こころとそだちの相談センター長兼務。
1995年よりスクールカウンセラーとして小・中・高校に派遣される(現在に至る)。
京都大学 博士(教育学)
主な著書:『生きにくい子どもたち─カウンセリング日誌から』(単著,岩波書店,2009年)
『フツーの子の思春期─心理療法の現場から』(単著,岩波書店,2009年)
『好きなのにはワケがある!─宮崎アニメと思春期のこころ』(単著,筑摩書房,2013年)
『思春期をめぐる冒険─心理療法と村上春樹の世界 増補版』(単著,創元社,2016年)ほか多数
詳しくは小社HPをご覧ください。