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オープンダイアローグから始まった実践であり,哲学である〈ダイアローグ〉。その応用実践の一つがダイアロジカル・スーパービジョンです。
スーパービジョンは,専門家教育のなかで指導者(スーパーバイザー)が被指導者(スーパーバイジー)に職務上の指摘や助言を行うことで,対人援助の世界で行われることが多いですが,北欧にはスーパービジョンの制度が根付き,対人支援だけではなく企業や組織のなかでも外部のスーパーバイザーがつき,コンサルテーションを行っています。
この本は,北欧のスーパービジョン文化とオープンダイアローグの哲学とが出会い,リフレクションから新しいダイアローグをどう育て,個々人の職業人生に生かしたらいいのかを詳細にまとめたものです。
対人援助職やその施設だけではなく,コミュニティ指導者や管理職などのリーダー,コンサルテーションを行っている方,スーパーバイザーなど多くの方に読んでいただきたい1冊になっています。
カイ・アルハネン/アンネ・カンサナホ/オリ・ペッカ・アーティアイネン/マルコ・カンガス/カトリイナ・レーティ/チーナ・ソイニ/ヤルコ・ソイニネン著
川田美和/石川雅智/石川真紀/片岡 豊 監訳
[ためし読みできます]
https://hanmoto9.tameshiyo.me/9784866161990
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主な目次
日本語版への序 トム・エリク・アーンキル
第Ⅰ部 スーパービジョンの基本事項
第1章 職場におけるスーパービジョンの役割
第2章 学習プロセスとしてのスーパービジョン
第3章 リフレクションの方向づけ
第4章 対話的関わり
第Ⅱ部 実践と方法
第5章 スーパービジョンを実施する際の条件
第6章 オリエンテーション(志向)
第7章 アクション・メソッド(非言語的メソッド)
第Ⅲ部 スーパービジョン関係
第8章 個 人
第9章 コミュニティ
第10章 グループ
第11章 管理職(マネージャー)
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著者・監訳者ら紹介
著者略歴
Kai Alhanen(カイ・アルハネン)
哲学修士・神学博士(国立ヘルシンキ大学)。アレタイ社(Aretai Ltd.),ダイアログアカデミー・マネージャー。フィンランド生まれのダイアローグ実践理論の代表者の一人。”Dialogical leadership”,”Timeout”など多数の著作活動。
フィンランド政府のシンクタンク機関であるSITRAの顧問として,フィンランドの行政部門,教育・福祉部門などの公共機関と民間企業に幅広くダイアローグを基盤としたカウンセリングやコーチングを行っている。精神医療のオープンダイアローグのヤーコ・セイックラ,教育・福祉部門のAD(アンティシペーション・ダイアローグ)のトム・アンキルに並ぶフィンランド発信のダイアローグ実践理論の第一人者として認められている。
また,ロシアのウクライナ侵攻を背景に,カイ・アルハネン氏は,上記の政府シンクタンク機関のSITRAと連携して,”Democracy Defense Dialogue”(デモクラシーを守るダイアローグ)というテーマを掲げて,オンラインによる国際的なダイアローグによる平和活動を推し進めている。
主著書:Käytännöt ja ajattelu Michel Foucault’n filosofiassa. Gaudeamus, 2007./ Practices and Thought in Michel Foucault’s Philosophy. BoD, 2018., John Deweyn kokemusfilosofia. Gaudeamus, 2013./ John Dewey’s Ecology of Experience. BoD, 2018., Dialogi Demokratiassa. Gaudeamus, 2013./ Dialogue in Democracy. BoD, 2019.
Anne Kansanaho(アンネ・カンサナホ)
スーパーバイザー兼トレーナー,アレタイ社(Aretai Ltd.)。
Olli-Pekka Ahtiainen(オリ・ペッカ・アーティアイネン)
スーパーバイザー兼トレーナー,アレタイ社。
Marko Kangas(マルコ・カンガス)
スーパーバイザー兼トレーナー兼CEO,アレタイ社。
Katriina Lehti(カトリイナ・レーティ)
スーパーバイザー兼トレーナー,アレタイ社。
Tiina Soini(チーナ・ソイニ)
研究ディレクター,フィンランド国立タンペレ大学。
Jarkko Soininen(ヤルコ・ソイニネン)
スーパーバイザー兼トレーナー,アレタイ社。
推薦者略歴
Tom Erik Arnkil(トム・エリク・アンキル)
フィンランド人。フィンランド国立保健福祉研究所 元研究教授(2015年定年退職)。NPO法人ダイアローグ実践研究所(DPI)理事。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)名誉会員
【日本語出版】著作:あなたの心配事を話しましょう(高橋睦子訳,日本評論社,2018),ダイアロジカル・スペース(浅井伸彦訳,NPO法人ダイアローグ実践研究所,2019),共著:オープンダイアローグ(高木俊介・岡田愛訳,日本評論社,2016),開かれた対話と未来(斉藤環監訳,医学書院,2019)
*トム・アンキル氏はヘルシンキ大学やフィンランド国立保健福祉研究所においてネットワーク・ダイアローグおよび「未来語りのダイアローグ」の開発に携わるかたわら,古代ペルシャを舞台にした一連の歴史小説の作者として活躍。全6巻からなるシリーズ最終版 “The book of Benjamin Aamoksenpoja” を2022年8月に出版。
監訳者略歴
川田美和(かわだ・みわ)
高知県生まれ,兵庫県立大学看護学部(精神看護学)教授。博士(看護学)。看護師・保健師・精神看護専門看護師。
主な著書:『長期入院患者のおよび予備群への退院支援と精神看護』(分担執筆,医歯薬出版会,2008),『精神看護スペシャリストに必要な理論と技法』(分担執筆,日本看護協会出版会,2009),『精神看護実習ポケットブック』(分担執筆,精神看護出版,2010)ほか
石川雅智(いしかわ・まさとも)
ニューヨーク生まれ,元千葉大学大学院医学研究員精神医学特任准教授,弥生会旭神経内科リハビリテーション病院・学而会木村病院非常勤務医師。東洋史学修士,医学博士,日本精神神経学会専門医・指導医,認知症診療医。
主な著書:『新体系 看護学全書 精神看護学② 精神障害をもつ人の看護』(分担執筆,メヂフレンド社,2017,2019,2021)
主な論文: “High occupancy of sigma-1 receptors in the human brain after single oral administration of fluvoxamine: A PET study using [11C]SA4503”. Biol Psychiatry, 62: 878-883.
石川真紀(いしかわ・まき)
東京生まれ,医学修士,精神保健指定医,千葉県こころセンター(精神保健福祉センター)技監兼次長。
主な著書:『新体系 看護学全書 精神看護学② 精神障害をもつ人の看護』(分担執筆,メヂフレンド社,2017,2019,2021)
主な寄稿論文:「精神保健福祉センターの訪問支援におけるオープンダイアローグ的対話の試み」(精神科治療学,2018)など
片岡豊(かたおか・ゆたか)
東京生まれ,元エグモント・ホイスコーレン教員。修士(国立オーフス大学思想史学科・哲学部)
主な寄稿記事:「リハビリテーション」(社会福祉法人鉄道身障者福祉協会発行)『デンマークにおけるインクルーシブな就労政策』(2006. 12),『デンマークにおける特別支援教育制度』(2009. 8・9),『インクルーシブな学校,エグモントホイスコーレン』(2014. 8・9, 10, 12, 2015. 01),『障害者の差別について──デンマークの現状』(2016. 2・3)など
翻訳:『クローさんの愉快な苦労話』(ぶどう社,1994)
詳しくは小社HPをご覧ください。
https://tomishobo.com/catalog/ca199.html
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